前回のあらすじ
魔法のアーティファクトを贈るアルテオスとそれを受け取るリリカ。
二人の姿に絶句し裏切られたと感じたルディアにアルテオスは告げます。
「リリカは魔法使いだ」
ネタバレ 72話
「、、、俺が悪かった。リリカに頼んで秘密にするように頼んだんだ」
頭を掻きながらバツが悪そうにアルテオスは言います。
”リリちゃんが魔法使い、、、”
初めて生まれた者、、、
意志を力に、風を現実にする者たち。
古代に絶滅したんじゃないの!?
そう思いながらもルディアは思い当たることがあります。
”ママ、、、幸せになって”
リリカが絞首刑にかけられるとき、声にならない声で言いました。
罵詈雑言と血走った憎しみの込められた視線を向けられる中、
そんな中でもリリカは母の幸せを願います。
”ああ、、、それで私が戻ってきたのね”
”あの瞬間でさえ、あなたが望んだのは”
「、、、ママ?」
リリカは様子を伺いながら部屋に入って来ます。
回帰の理由に思い至ったルディアはリリカを抱きしめます。
泣きながら自身を抱きしめるルディアに困惑するリリカ。
アルテオスと喧嘩をしたのかとアルテオスを睨みます。
「ルディアに全部知られたぞ、魔法使いだって」
その言葉にリリカは黙っていたことを謝ります。
「前もって話さなくてごめんなさい」
その姿にルディアは微笑み、魔法を見せて欲しいと言います。
「セセダンス」
「ケンタナ」
魔法の蝶を出し、美しい光景を生み出すリリカ。
そんなリリカの姿にルディアは胸がいっぱいになります。
”あんな瞬間さえ人の幸せを願う素晴らしい人間には私はなれない”
”でも、あなたは、、、”
魔法を見ながら、リリカという存在に感動するルディア。
宝物のような彼女にキスをしながら思います。
”私からあなたのような優しい子が生まれたのは何故なのかしら”
そうして冷静さを取り戻したルディアは言います。
「魔法使いということは隠した方が良い。アーティファクトで誤魔化すのは良い考えよ」
ルディアのその言葉にアルテオスは顔を綻ばせます。
「アーティファクトに制約を掛けている。必要になったら”拘束解除”と言えば良い」
「全く危険じゃない。全くだ」
得意げにそう言うアルテオス。
場は和やかに収まり、リリカは部屋へと戻ります。
「リリちゃん、愛してるわ」
「私も愛してる、ママ」
二人はそうして愛を伝え合います。
部屋へと戻るリリカの後ろ姿を見てアルテオスは言います。
「お前の言う通りだ。本当に世界で最も愛おしい」
二人は微笑みましたー。
感想
今回の話で何故回帰が起こったのか、
誰が起こしたのかわかりましたね。
リリカは回帰前の処刑の直前であっても自分に死を招いてしまった母を愛したのですね。
呆れるくらいお人好しで、優しいって言葉では足りないなと思いました。
そしてアルテオスは完全にリリカの父親になりましたね。
両親となったアルテオスとルディアに心が洗われるような気さえします。
最後まで読んで頂きありがとうございました!