前回のあらすじ
具合が悪そうに皇宮の庭に来たラウブ。
そのラウブにランプの灯りを当ててブリンは言います。
「貴方、本当に不適格者だったんですね」
不適格者とは一体なんなのかー?
ネタバレ 59話
「どうしてタン・ウルフ、、、彼は貴方のような人を皇女様の傍に置いたのか、、、!」
とブリンは言います。
「それで、、、それを使うのですか?」
銃を持つブリンを見下ろしラウブは聞きます。
「今、私を殺して埋めて隠そうとしたでしょ?」
そう聞くブリンにそんなこと、、、ほんの一瞬しか考えていないと思うラウブ。
「そんなもので殺せるとでも?」
そう笑うラウブは言います。
「当主様は鋼鉄でできた槍でさえ曲げることができます、、、では規格外の私はどうだと思いますか?」
そう言うラウブは酷く凶悪です。
「そこで何やってるの?」
リリカが現れ尋ねます。
「今日は満月が特にでかい。お前の護衛をしっかり見張っていろ」
アルテオスはリリカに忠告します。
貴族家門の中ではたまに「不適格者」と呼ばれる凶暴なものが生まれます。
人間と付き合っていくのには不適合という意味で「不適格者」と言われているそうです。
「強気で向かいましたが、ご覧になりましたよね。あの荒々しい態度を、、、」
「そんな人を、、、皇女様の護衛にはできません!」
そう強くリリカに言うブリン。
リリカは次にラウブからも話を聞きます。
「不適格者なの?」
リリカは尋ねます。
「はい」
あんな姿を見せてしまった。
バレてしまった。
知られてしまった。
ご主人様に捨てられたら。
ここから追い出されたらー。
そう絶望するラウブにリリカは
「大変だったわね」
と優しく言います。
「症状を和らげるアーティファクトを探すから、症状を教えてくれる?」
「、、、皇女様、そんなものはありません」
”「不適格者」か?”
”ウルフはいつ暴発するかわからない不良品のアーティファクトのような子供を連れて来たんだな”
”いくらよく飼い慣らした犬でも本能が残っていればあくまでも猛獣だ”
”自分自身を抑えようとしたり、狂気に囚われて暴れ死ぬだろう”
”誰もお前を助けることも、理解することもできない”
”それが不適格者というものだ”
ラウブが子供の頃に言われた絶望の事実。
「皇女様のお言葉は嬉しいのですが、私一人で耐えるべき、、、」
「まだ、わからないでしょ?助けたいの」
そう微笑むリリカに泣きそうになりながら、ラウブは症状の説明をします。
「熱が上がり感情の制御が効きません、怒りが激しさを増し、泣き叫んで暴れたい気持ちが全身を駆け巡ります」
とっくの昔に希望は捨てた。
でも、、、それでも、、、助けたいと言う言葉がとても、、、甘く感じる。
「皇女様!お客様です」
ブリンがリリカを呼びにきます。
「皇女様にご挨拶致します!」
嬉しそうにウバが挨拶します。
「ウバ!帰って来たのね!」
そう言ってウバに飛び付くリリカ。
リリカを抱き締めようとするウバにラウブは警戒します。
「ラウブ、大丈夫よ。こちらは私が投資した冒険家のウバよ」
リリカの紹介に納得したラウブはウバに挨拶します。
「ラウブ・ウルフと申します。」
微笑んだつもりのラウブでしたが、その微笑みにウバは恐怖します。
そのラウブを見てリリカは思います。
ラウブは他の人からしたらなんでもないことが苦手なのね。
平凡になろうと努力しても完全に他の人と同じようにはできない。
少しでも早くラウブを助けないとー。
感想
ラウブは不適格者であったため、皇宮から故郷に帰される予定だったんですね、、、
リリカの魔法でラウブを救うことができるのでしょうか?
また、子供だったラウブに酷いことをいった人物は誰なのか?
最後まで読んで頂きありがとうございました!