前回のあらすじ
「走りながら聞いてください。今日劇場で火災が起きます」
そう言うピヨルドに手を引かれて皇族専用庭園を走るリリカ。
リリカは思い出します。
母が劇場にオペラを見に行っていることを、、、
「ママ!」
アティルと共に現場に駆けつけ母の姿を見つけたリリカは走ります。
ネタバレ 49話
「リリちゃん!アティル!?」
驚くルディアの元に二人は駆けつけます。
心配する二人に大丈夫と言うルディア。
しかし、とある夫人が言います。
「皇后陛下は足を怪我されているでしょう!本当にすごい火事だったんです!」
そう涙を流す夫人を慰めながら雨が降って運が良かったとルディアは言います。
「俺のような夫がいて運が良いんだろ」
そう言ってルディアを支えるアルテオス。
周囲はルディアが民衆を先導し避難できたことを話しています。
「皇后陛下があの炎の中で足を挫いた私を支えてくれなかったら、、、!」
「そうです、私もー」
「皇后陛下も怪我をされていたらしいわよ」
「なんと、、、それなのに人々を助けたと?」
早く帰ろうと言うアルテオスにこのまま帰るのはもったいないと言うルディア。
ルディアは皇室のイメージを上げる為にセレモニーをします。
「明日の新聞はすごいことになるぞ、皇室の人気は確実に上がるだろう」
その姿を見たアティルは言います。
セレモニーをするルディアとアルテオスは美しく虹がかかった空の下、眩しく輝いていました。
リリカはそんな素晴らしい皇帝夫妻の姿を見て思いました。
ママは私がいつもそばで助けないといけないのに、、、
私がいつもお世話して、家賃も食費も私が稼いで
投資をした時も私が確認して
自分を責めて泣いてる時は私が抱き締めて
噂の中のママがどんなに格好良くてもママは私がいないとダメなのに
あのママは今にも言いそう、、、
”リリカ今までありがとう、ママはこれからリリちゃんがいなくてもやっていけるわ”
”バイバイ、リリカ”
そう考えてリリカは泣いてしまうのでした。
皇宮にて、、、
「かなり疲れているようだな」
アルテオスはルディアを気にかけます。
ルディアはリリカがずっと泣いていたことを気にしているようでした。
「何を?」
蝋燭に火をつけたアルテオスにルディアは驚きます。
「、、、火が怖いか?」
ルディアはアルテオスに火にトラウマがある事を知られてしまいます。
「もう克服したんだと思ってたのに」
誰かが仕組んでいたかのように火の手は一気に広がり、
かつてのあの時のように全てを飲み込もうとしました。
今日、火災が起きる事を覚悟して会場に行ったのに火を見た瞬間身体が固まって動かなくなった。
このままリリカを置いて死ぬ訳にはいかないのに、
どうか動いて、、、!
カランッ
リリカがくれたお守りが真っ二つに割れ、その瞬間正気を取り戻し身体が動くようになりました。
「私は皇后です!皆さんを置いて逃げたりしません!」
「どうか落ち着いて避難しましょう!」
そうして避難を誘導することができたのです。
「あれは本当に魔法の金貨だったのでしょうか?」
窓の外を眺めながらルディアはポツリと言います。
「もちろん、逃げている時も死を悟る瞬間がありました。貴方が雨を降らせなかったら死んでいたと思います」
そう言うルディアを讃えたアルテオスは添い寝をしようか?と尋ねます。
軽口を叩き合っていると、、、
「失礼致します、皇后陛下」
ブリンが現れリリカの元に来るようにお願いをしました。
「おい、、、泣くなよ!どうしたんだよ、、、」
リリカを抱き締めながら困ったように慰めるアティルの声がします。
「ママが私を捨てたらどうすればいいの?」
そう言うリリカをアティルは優しく抱き締めます。
感想
ルディアが無事で何よりです!
恐怖に震えながらも民衆を煽動して避難させるのは流石だなと思いました。
最後、立派なママの姿に不安になるリリカ。
かつては共依存だったのでしょうか?
優しく抱き締めるアティルはもうすっかり立派なお兄ちゃんですね!