前回のあらすじ
アティルに殴りかかられ、怪我をしてしまったピヨルド。
何にも無いように振る舞うピヨルドですが、
リリカはこのまま帰したくないと言い手当をします。
ネタバレ 43話
あのね、僕にとってこんな傷は本当に大したことではないんだよ
ピヨルドはそう思います。
バラットの後継者はどんな苦痛にも耐えられるように訓練を受けており、
だからこそ休めることがなく、皇宮の森にいる時だけがピヨルドの唯一休める時間でした。
そこにあなたが派手で重たい日傘と一緒に飛んできたんだ。
皆が「悪女かもしれない」と言っていた女の子。
やっぱり僕の周りは嘘つきばかりだ。
子供にとって親が全てだから、幼い頃はあんな噂全部信じていた。
毒を飲んで苦しいのも、父が亡くなったのも全て彼のせいだと言われ続けた。
「お前の苦しみは全て皇太子のせいだ、そうあの男。”アティル・サウ・タカール”」
死ぬほど彼を憎んでいた。
だけど、皇太子の10歳の誕生日、、、
初めて彼に会った時、
彼はただの子供だった。
その時初めてわかった。
僕を苦しめていたのは彼ではない。
僕を苦しめていたのは、、、、
(母だ、、、)
あんなに憎んでいたタカールと縁を結び、「権能」を持った息子を産んだ時あなたはどれほど歓喜しただろうか。
おめでとう、あなたの子供はバラットが数百年望んできた傑作品だ。
だからその傑作品が壊れる時、お母様、あなたはどんな顔をするだろうか。
小さな皇女様、僕は貴方に期待していた。
母があれほど憎む人を初めて見たんだ。
どれほど心根の腐った人なのか、敵の敵は味方っていうでしょ?
実際に会ってみたら期待通りではなかったけど、、、
もう一度会ってみてもいいかも、、、
でもこの選択は間違っていたみたいだ。
目の前で見る貴方の瞳は透き通っており、指先は溶けるようにあたたかい。
「痛かったよね?」
大丈夫です。僕の邸宅では拳で殴られるなんて誰も気にしないぐらいよくあることなんです。
って言おうとしたのに、、、
これはなんだ?
おかしい。
すごく甘くて、、、
近づかないで、
僕に触らないで。
僕自身がおかしくなりそうだから、、、、
指先が痺れて顔が熱い。
何だ、、、この感じは、、、
何も考えられない。
ピヨルドの心情を最後に今回の話は終わりました。
感想
ピヨルドの内側について切り込んだ話になっておりましたね、、、
DV酷いのかって思っていたら想像以上に酷かった、、、
ピヨルドが若くして亡くなってしまったのは母への意趣返しだったのかな??
ピヨくん、どうか幸せになっておくれ、、、
最後まで読んで頂きありがとうございました!